妊娠中から知っておこう 母乳育児のリアル②

こんにちは。やました歯科医院 助産師相談室 助産師の山下です。

今回は、母乳育児を希望されるお母さま必見!

「母乳育児をエンジョイするための事前講座

~妊娠中から知っておくべき母乳育児のリアル~」2回目のお話をします。

「赤ちゃんは、産まれながらにおっぱいを吸う能力がある。」

この案件について、よくある思い違いとよくある例外を解説していきましょう。

赤ちゃんは、お腹の中にいる頃から、おっぱいを吸う練習をしています。

妊娠中のエコーなどでも、親指をチューチュー吸っているところをみられることがあります。

一生懸命練習しているのかと思うととてもカワイイですよね。

なかには、まじめに練習しすぎて、親指などに生まれつき「吸いダコ」ができている赤ちゃんもいます。

そうやって、多くの赤ちゃんは「おっぱいを吸う」ことができるようになって産まれてきます。

なぜなら、赤ちゃんは、おっぱいを吸わなければ生きていけないからです。

生きていくのに必要な栄養や水分は、おっぱいを吸うことでしか摂取できません。

これは大事な野生の本能ですよね。やはり人間も動物なんだと、とても神秘的に感じます。

ところが、おっぱいを上手に吸えないというケースも当然あります。

それでは解説をしていきましょう。

うまいこと練習が進んでなかった

「お母さんの乳頭を口に入れることはできるけど、ペロペロするだけで吸えない」

「チュパチュパ音を立てるばっかりで吸えていない」

などは本当によく目にする光景です(37週未満で産まれた赤ちゃんにも多くみられます)。

おっぱいを吸うなんて、そんなにも練習が必要? 簡単にできるでしょ?

とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。

実は、おっぱいを吸うことはとても奥深い現象の連続なのです。

口唇と舌を使って、乳頭をしっかり捕らえ、舌を巻きこんで陰圧にする・・・という一連の動作と、

吸うタイミングと飲み込むタイミングを合わせていくという高度な技が必要なのです。

しかもこれは、おっぱいを卒業したお子さんがもう一度やろうしてもうまくいかず、乳汁が出てきません。

赤ちゃんのうちにしかできない神秘的な技と言われています。

うまいこと練習が進んでいなかった赤ちゃんであっても、練習を重ねることで

少しずつ吸えるようになる、あるいはある日突然できるようになったりしますので、

母乳育児を早々と諦める必要はありません。

助産師は赤ちゃんやお母さまに合った戦略で母乳育児を進めていくことを支援することができます。

もちろん、栄養は必要ですので、哺乳瓶でミルクや母乳を飲ませていきますが、

赤ちゃんに合った哺乳瓶の乳頭の使い分けもしていきます。

さらに母乳の分泌を増やすために必要な、赤ちゃんの吸うという刺激が足りませんので、

前回のブログにも書きました「できる限り乳頭マッサージ(セルフケアです)」などおこないます。

あとは、「きっとできるようになる」と信じて、根気よく、赤ちゃんをほめて育てることができれば、

きっとお母さまも赤ちゃんも笑顔で過ごすことができると思っています。

1人で頑張るのは心細い、不安があるという場合は

お住まいの地域には必ず母乳育児を支援する助産師がいます。

ぜひ相談してみてください。

またまた、思いがいろいろありすぎて長くなりましたので、つづきは次回へ。

次回は「お母さんの乳頭の雰囲気が、赤ちゃんの思っていたのとちょっと違う」というお話を予定しています。

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